Scotland #18


 

エディンバラでの個展がついに閉幕。人も来なければモノも動かない日も当然あったけれど、そのぶん詩を書く時間を確保できて、助かった。蓋を開けてみれば、今年制作した2種類の新作詩集は1冊残すのみ。幾人か詩人がやってきて、表現の各所に感嘆してくれていたのは自信になる。十分寒いのに半袖短パンのツーリスト(写真奥の彼)が、アート専攻の妹へのプレゼントに、と、スコットランドを描いた詩のポスターを買っていってくれた。詩に関しては、もうこのまま、突き進む。
一点ものは高いから動かないけれど、欲しがる人が多々いて、好感触。まあ、こちらの人たちは、日本人の想像をはるかに越える倹約家集団なので、足りる金額が財布にあっても、やはり買わない気がする。このあたりのものを売るには、それ相応の財力のある層に披露する機会がないと、徒労に近い。アウトサイダーでそこに到達するのは厳しいと、正直に思う。世界に何かを残して去るには、日本でも同様、この限界をどうやって越えるかが、鍵となっている。あと数歩、足りない気がする。また一年考える。
デザインに関しては、フリーランスも社内デザイナーも観に来てくれて、どちらからも好評だったので、あら大丈夫なのね、と一安心。流行り廃りのめまぐるしいデザイン業界だから、「◯◯に強い」と謳うだけじゃ戦えないと思っている。たとえばハンドライティングはいまぼくの強みに見えるけれど、実際には、デザイナーとしての人生を支えるほどの底力はない。まったく異なる軸で、デザインワークを展開する必要があるとここしばらく思っていて、なるほど、見つけた気がする。世界を掻き乱せる。

 

 

 

 

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