物語『おこのもり』出版

 

311の前に原稿で読んだ「おこのもり」を、こうして本になってから読み直してみると、はるかに暗く、深くなっている。それは、たぶん、311以後のぼく自身の中に穿たれた絶望の深さと対応しているのだと思う。安易な希望を語る声が世間の表層を覆う今こそ、ぼくたちナマケモノは「おこのもり」へと踏み入り、そのひんやりとした空気に身を浸さなければならない。これはポスト311時代のぼくたちを迎えにやってきたディープ・エコロジーの傑作だ。(文化人類学者 辻 信一)

 

絵本『かたりべからす』に続く、人生で2作目の本、今度は物語、『おこのもり』が出版されました。発行:ゆっくり堂、企画:環境文化NGOナマケモノ倶楽部のタッグは前作同様。友人で画家の矢野まりさんが画を挿してくれています。このにょろろとした題字は、ぼくが書きました。

当初、『かたりべからす』とともに2009年に出版予定だった本作品。矢野さんと「やりつくそう」と誓って、吟味に吟味を重ねているうちに、早3年。そのあいだに、ぼくも書き直し、書き足し、やっぱり削ったりして、時間がかかりました。

ぼくのなかでは、『かたりべからす』の対に位置づけられる作品です。もっと簡単で、楽しいのを書きなよ、と言われてしまうかもしれませんが、どうぞこればっかりは許してやってください。書かざるを得ないものがそこにありました。

今後、ナマケモノ倶楽部のWebショップほか、カフェや独立系書店などに、出現していく予定です。最大限皆さんの目に届くところへ、と思っています。展開があり次第、随時お知らせしてゆきます。

 

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