立教大学海外ボランティア読本
本当の本

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母校でもある立教大学では、毎年海外ボランティアに参加する学生が一定層いる。昨年秋、海外ボランティアを経験した学生たちが、海外ボランティアへの学内での興味・関心をさらに向上させたいと、フリーペーパー発行を計画。依頼を受けた。

今やフリーペーパーは世に溢れている。企業、NPO/NGO、有志団体などさまざまな発行主が、それぞれにクオリティの高いフリーペーパーを発行しているため、「何のために」「誰に対して」「何を伝えるべく」発行するのかという根幹の理念がしっかりしていて、かつそれを「どのように伝えるか」というアイディアないし想像力が十分でなければ、読んでもらうことはおろか、手にとってもらうことすらむずかしい。学生たちのフリーペーパー発行への思いを受けて、デザインにとどまらず、コンセプトづくりから各原稿の推敲まで、トータルでかかわらせていただいた。

本誌の方針は、ロゴマークに表現した。これまで発行されている海外ボランティア系雑誌の多くは「海外ボランティアという経験を通して得られるもの」というメリットを売り出す傾向が強い。そしてその大半が「自己成長」というツボに集約している。ところが、学生たちの話のなかに、そうした「支援側の自己満足の要素」に「疑問を感じている」表情をたびたび見た。そこで本誌は、魅力やメリットを売り出すのではなく、「海外ボランティアを経験した学生のありのままの思い」をメインに、その思いを構成する「迷い、戸惑い、疑い」を主軸に据えた。ロゴマークは、彼らが現地で感じた率直な思いとその逡巡のさまを表現した。

「貧困に苦しむ人を支援できる」「海外ボランティアに携わる自分はかっこいい」そうした固定観念が、現地に一歩足を踏み込んだときに、総崩れする。それまでの彼らの「本当」がひっくり返ってしまった経験を、ありのままに描く。各学生が執筆する原稿にも、そのコンセプトを徹底。一切のごまかしや回避のないよう、何度も推敲を重ねた。また、ただの「悩みトーク」にならないよう、最終的には「海外ボランティアに対して、現時点での自らのありかた」も表現。学生たちにとって、自らの経験とその心に向き合う苦しい作業だったと思う。

配布は、主に立教大学内で、2011年4月から行なわれるが、「他大学や社会人にも読んでもらえたら嬉しい」と学生たちは語っていた。ご希望の方は以下まで。

 

Free Paper「本当の本」政策実行委員会

hontonohon.rikkyo[at]gmail.com(@マークに変換)

 

 

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